成人の患者さん

PKU(フェニルケトン尿症)、高フェニルアラニン血症は、成人になってからも治療を継続しなければなりません。 血中のフェニルアラニン値が高い状態が続くと、落ち着きがなくなったり、落ち込んだり等の精神的な障害の症状が現れることがあります。
成人になってからも、定期的に医療機関に通院し、患者さん本人の状態を把握しておくことが重要です。

代表的な症状

代表的な症状代表的な症状

このような症状は自分で気づくことが難しく、周囲の人の協力が必要です。
また、社会生活(仕事)などの効率に影響を与える実行機能障害になる可能性があります1,2)

※実行機能障害とは・・・

1)計画を立てる 
2)計画に着手する 
3)計画通りに集中を維持する
など計画を立てて、順序よく物事を行うことができなくなる症状です。

1)ten Hoedt AE, et al. J Inherit Metab Dis. 2011; 34(1): 165-171
2)Aitkenhead L, et al. J Inherit Metab Dis. 2021; 44(6): 1353-1368

また、PKUと上手に付き合うためには、定期的に病院で診察を受けることが大切です。
治療を中止・中断して血中のフェニルアラニン値が高くなると症状が出なくても脳のMRI画像に変化が現れることがあります3)

ctスキャンとフェニルアラニン値ctスキャンとフェニルアラニン値

3)Okano Y, et al. Mol Genet Metab. 2013; 110(4): 424-430

症状を早期に見つけるためには、目標としている血中のフェニルアラニン値※※までコントロールできていなくても、治療を中断・中止せずに、病院へ定期的に通院し診察を受けることが重要です。

※※血中フェニルアラニン治療目標値2〜6mg/dL(120〜360μmol/L)4)

4)日本先天代謝異常学会 編.新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン2019:11-24 診断と治療社


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