妊娠中のPKU(フェニルケトン尿症)の患者さんの血中フェニルアラニン値が高い場合、出産に際して胎児が以下の様な障害を受ける可能性が高くなることが報告されています。
- 自然流産
- 発達の遅れ
- 小頭症
- 先天性心奇形
- 低出生体重児
しかし、妊娠前から血中のフェニルアラニン値を低く保っていれば、健康な子どもを出産できることが報告されており1)、『計画妊娠』によって元気な赤ちゃんを出産する女性のPKUの患者さんが増えています。
1)Chevenon M, et al. Pediatr cardiol. 2008; 122(2): 445-449
妊娠を計画される患者さんは、妊娠する前から身体の中のフェニルアラニン値を下げて維持する必要があります。
妊娠を計画される場合は下記の点について注意してください。
- パートナーにフェニルケトン尿症(PKU)の病態と治療について理解
してもらう。 - パートナーに母体中フェニルアラニンの胎児への影響についても理解
してもらう。 - 主治医に相談して栄養士指導のもと治療を厳格に管理する。
-血中のフェニルアラニン濃度を妊娠前から治療目標値2〜6mg/dL
(120〜360μmol/L)になるよう治療継続する- - 妊娠準備期から妊娠後期までの具体的な栄養摂取量は主治医および
栄養士と相談してください。
出産後も妊娠期間中同様に血中Phe値を維持できる様、治療を継続しましょう。